新緑がまぶしい季節、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
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皆さんこんにちは!
大城農園、更新担当の富山です。
今月からブログ更新頑張っていきます!
目次
農業って、毎日が単調なように思われがちだけど、実際はまったく違います。
天気、風、気温、虫の出方、土の乾き具合――ひとつひとつが違っていて、だからこそ農家は毎日“畑と会話”しているようなものなんです🌿
とくにパッションフルーツの栽培は、自然との呼吸を大事にする作物。
その一年の流れを、沖縄の季節とともに、たっぷりご紹介しますね🌺
沖縄の冬は、本土ほど寒くはありません。でも、畑の様子はピタッと止まったように静か。
パッションフルーツの苗たちは「休眠期」に入り、成長のスピードがぐんと落ちます。
でも――農家にとっては、むしろ一番大事な仕事が始まる季節なんです🔥
夏の間にぐんぐん伸びていたツルたち。
伸びっぱなしでは日当たりも悪くなるし、風通しが悪いと病気も出やすくなる。
だから、農家は一枝一枝じっくり見ながら、
「この子は残す」「これは切る」と判断して剪定をしていきます✂️
時には迷うこともあります。
でも、植物が春にどう成長していくかを“先読み”しながら切っていく作業は、まるで盆栽職人のような感覚でもあるんですよ。
沖縄の土は“赤土(あかつち)”。
水はけがよくて根張りは良いけれど、栄養分が流れやすいという弱点もあります。
だからこそ、この時期には有機堆肥や牛ふん、微生物資材、海藻粉末なんかを混ぜ込んで、**「ふかふかで呼吸できる土」**にしていくんです🌾
鍬を入れて掘り返すと、ミミズがいて、「ああ、いい土になってきてるな」と感じる瞬間は最高です。
冬の静かな畑で、鳥のさえずりを聞きながら黙々と土を耕す。ある意味、精神的にいちばん整う時間かもしれません😊
春が来ると、畑がざわつきはじめます🌸
冷たい風が和らぎ、日中の光がじんわりと強まってくると、パッションフルーツの苗たちがいっせいに目覚めます。
小さな葉っぱが出てきて、くるくると支柱に巻きつくツルの動き――
見ていると、「植物って生きてるんだなあ」と、しみじみ感じます🍃
この時期はとにかく「観察」が大事。
☑️ 葉の色が薄くなっていないか
☑️ ツルの勢いが左右で偏っていないか
☑️ アリやアブラムシが出てきていないか
☑️ 水の吸い方が強すぎないか
ひとつひとつを見ながら、潅水量を調整したり、手で虫を取り除いたり、肥料の加減を工夫したり。
地味だけど、この“地道な手入れ”こそが、後々の実の出来を大きく左右するんです🌱
4月の終わりごろ――
畑に出ていたら、ある朝、ポン!とつぼみが開いていた。
「今年も咲いた!」
それは何度見ても感動的な瞬間。
パッションフルーツの花は、まるで南国のオブジェのような不思議な形をしています。
紫と白が織りなす花びら、中心から広がるように伸びるしべ…。
見れば見るほど、自然の芸術です。
ただし、この花の命はたった1日。
咲いたら午前中のうちに受粉作業を終わらせなければならないという、時間との勝負でもあります⏰
受粉棒を手に、花のしべに花粉をそっと移していく作業。
これを何十、何百と繰り返します。
まるで「一人一人と握手をしていく」ような、そんな作業。
「いい実がなりますように」
毎回そう願いながら、無心で花と向き合います🙏
受粉から約45日――
膨らみ始めた果実が、日ごとにずっしりと重く、色づいていきます。
最初は青くて堅い実が、だんだんと紫や黄色へ。
香りもふわ〜っと漂ってくるようになったら、もうすぐ完熟の合図!
収穫は朝のうちに。
風がまだ穏やかで、日差しがきつくなる前に、手で落ちた実を拾い集めます。
パッションフルーツは完熟すると「自然に落ちる」んです。
木から無理やりもがない。落ちるまで待つ。
これはこの果実が持つ“自然との調和のかたち”だと、私は感じています。
1個1個、ていねいに磨いて、チェックして、箱詰めしていくときのあの気持ち――
「今年もありがとう」
「いい実をつけてくれたね」
農家にしか味わえない、特別な“報われる時間”です🌞
次回もお楽しみに!